GODOT (3) 配布ファイルの作成

今回は、作成したゲームを配布する流れを一通りやってみたいと思います。

前回の『GODOT (2) Hello World』のプロジェクトを使いますので、まずはその流れを全て完了したプロジェクトを読み込んでおいてください。

メニューの『エディター』から『エクスポートテンプレートの管理』を開きます。

『エクスポートテンプレート マネージャー』が開きます。まだエクスポートテンプレートを設定していないので、『エクスポート テンプレートが見つかりません。ダウンロードするかファイルからインストールしてください。』という警告が表示されていると思います。『ファイルからインストール』ボタンを押してインストールに進みましょう。

『ファイルを開く』ダイアログが開きますので、『GODOT (1) インストール』でGodot Engineをインストールする際に『 C:\apps\Godot 』に置いておいた『 Godot_v3.5-stable_export_templates.tpz 』を選択して『開く』を押して進めます。

『エクスポート テンプレートの展開中』というプログレスバーが出て処理が進んでいきます。少し待ちましょう。

処理が完了すると『エクスポートテンプレート マネージャー』に戻ってきます。警告が消え『エクスポート テンプレートはインストールされており、利用できます。』となっているはずです。

『閉じる』を押して『エクスポートテンプレート マネージャー』を閉じましょう。

これでエクスポートを行う準備が出来ましたので、さっそくゲームをエクスポートしてみましょう。

メニューの『プロジェクト』から『エクスポート』を選びます。

『エクスポート』ダイアログが開きます。

今回はWindows用の配布ファイルを作成する手順を試してみますので、メニューの『追加…』から『 Windows Desktop 』を選びます。

プリセットに『 Windows Desktop (実行可能) 』という項目が追加されます。

この時点で最下部の『 Export Project… 』『 Export PCK/Zip… 』というボタンが使用可能になりますが、それを押す前に少し設定を行いましょう。

それらのボタンの上に『 - The rcedit tool must be configured in the Editor Settings (Export > Winodws > Rcedit) to change the icon or app information data. 』という警告が出ていますが、これも設定後に消えますので、一旦は気にせず進みます。

右側の『オプション』タブの中で、まずは『バイナリフォーマット』の『 64ビット 』の『オン』に入っているチェックを外します。

この『 64ビット 』のチェックが入った状態では64ビットのバイナリ(ゲームの配布ファイル)が、チェックを外した状態では32ビットのバイナリが出力されます。

ここでは難しい説明は省きますが、Windowsには32ビットと64ビットの2種類があり、64ビットのバイナリは64ビットのWindowsでしか動きませんが、32ビットのバイナリは32ビット・64ビット両方のWindowsで動きます。

つまり32ビットで作っておいた方が遊べる人が増えるというわけです。

次に『アプリケーション』の『 Modify Resources 』の『オン』に入っているチェックを外します。これで下部に出ていた警告メッセージが消えるはずです。

ここまで出来たら最下部の『 Export Project… 』ボタンを押しましょう。

『ファイルを保存』ダイアログが開くので、プロジェクトフォルダ『 C:\myprog\hellogodot 』の中に右上の『フォルダーを作成』ボタンから『 build 』というフォルダーを作成します。

フォルダを作成したらそのフォルダを選択し(パスが『 C:\myprog\hellogodot\build 』となった状態)、更にファイル名を『 hellogodot.exe 』に変更して『デバッグ付きエクスポート』のチェックを外した上で、『保存』ボタンを押して進めましょう。

何事もなかったかのように『エクスポート』ダイアログに戻ってきますが、エクスポート自体は完了しているので『閉じる』ボタンを押して『エクスポート』ダイアログも閉じてしまいましょう。

エクスポート先に指定したフォルダ『 C:\myprog\hellogodot\build 』を見ると『 hellogodot.exe 』『 hellogodot.pck 』という2つのファイルが出来ているはずです。これらが主力されたゲームファイルになります。

試しに『 hellogodot.exe 』をダブルクリックして実行すると『GODOT (2) Hello World』でGodotの開発環境上で実行した時と同じ『 Hello, Godot! 』と表示されたウィンドウが開くはずです。

基本的にはこれらのファイルを配りさえすれば配った先でも動かすことが出来るのですが、Godotエンジンのライセンス上、もう1つファイルを加えておかねばなりません。

そのファイルを手に入れるために、GodotエンジンのGitHubリポジトリ

にアクセスします。

このページの右側に書かれているようにGodot Engineは『 MIT license 』というライセンスの下で配布されています。

ページを少し下にスクロールして『 Releases 』の『 3.5-stable 』と書かれている部分がリンクになっているので、そこをクリックして先に進みます。(バージョン番号は記事執筆時点のもので、新しくなっている可能性があります。)

ファイルがダウンロードできるリンクが沢山並んだページが開きますが、その一番下の方にある『 Source code (zip) 』というリンクをクリックしてファイルをダウンロードします。

『 godot-3.5-stable.zip 』というファイルがダウンロードされる (バージョン番号部分は異なる場合があります) ので、ダブルクリックして開きます。

中には『 godot-3.5-stable 』というフォルダがあるので、更にそれをダブルクリックして中に入ります。

『 LICENSE.txt 』というファイルが見つかるので、それを選択して右クリックメニューから『コピー』を実行します。

エクスプローラーのフォルダ『 C:\myprog\hellogodot\build 』の空いた部分で右クリックしてメニューを出し『貼り付け』を実行します。

これでフォルダ『 C:\myprog\hellogodot\build 』には『 hellogodot.exe 』『 hellogodot.pck 』『 LICENSE.txt 』の3つのファイルが存在する状態になっているはずです。

ファイル『 LICENSE.txt 』の名前を『 CREDITS.txt 』に変更します。

『 CREDITS.txt 』をダブルクリックしてメモ帳で開き、最初の部分に

Godot Engine
============

と書き足して上書き保存します。

ここに書かれている内容が『 MIT license 』であり、つまりはGodotエンジンで開発したゲームを配布する際の条件にあたるものなので、皆さま御自身で一度しっかりと読んで理解されて頂くのが良いと思います。

とにかくはこの利用条件の中に『このエンジンで作ったゲーム配布の際には、ここに書かれている著作権表示と許諾事項を含める』ように書かれているので、今このファイルをコピーして配布物に含めました。

さて、いよいよ配布に必要なファイルが揃いました。

これら3つのファイルを全て選択した状態でそのどれかを右クリックして出るメニューから『送る』>『圧縮 (zip形式) フォルダー』を実行し、3つのファイルを纏めて1つのZIPファイルに圧縮します。

この際に『 CREDITS.txt 』の上で右クリックして進めると、作成されるZIPファイルの名前が『 CREDITS.zip 』になってしまいます。なので『 hellogodot.exe 』『 hellogodot.pck 』のどちらかのファイルの上で右クリックして進める事をお勧めします。そうすれば出来上がるZIPファイルは『 hellogodot.zip 』になるはずです。今回もし『 CREDITS.zip 』になってしまった方は、『 hellogodot.zip 』にファイル名を変更しておきましょう。配布用ZIPファイルは何のファイルか想像がつくファイル名にしておく事が親切です。

Godotエンジンで開発したゲームを配布するには、こうやって出来上がったZIPファイル『 hellogodot.zip 』を配布すれば良い訳です。

実際には先の3つのファイルに『 readme.txt 』など何らかの説明を書いたファイルを加えて、一緒に圧縮したものを配ることが多いでしょう。

ここまでGodotエンジンのチュートリアル3回を通して、GodotエンジンをインストールしてHello Worldを開発し、そして配布ファイルを作成するまで一通りの流れを行ってみました。いかがだったでしょうか?

もし読んで試されていて解り辛い部分やもっと説明が欲しい部分などありましたら、ぜひコメントで教えてください。可能な範囲で補足記事など追加したいと思います。

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