DVDStylerで即時再生DVDを作成する

今回は DVDStyler を使って、DVD プレイヤーに入れたら (メニューなど表示されずに) すぐに内容の再生が始まる DVD の作成を行いたいと思います。

DVD はメニューがあるのが一般的ですが、メニューが無い DVD を作成しておくとメニューの操作が面倒なプレイヤーでもすぐに内容を見る事ができます。また、自分で撮影した動画を人に渡す場合なども家庭用 DVD プレイヤーに入れるだけですぐに再生が始まるディスクになるので、頂いた方の手間の削減にもなるでしょう。

DVDStyler の起動~初期設定

ではさっそくやっていきましょう。

DVDStyler のインストールがまだ済んでいない方は、まずこちらの記事

に従って DVDStyler をインストールしてから、以下に進まれてください。

DVDStyler を起動します。

最初に開いている『ようこそ』の画面で、『プロジェクトを新たに作成する』が選択された状態で映像形式で『 NTSC 』を選択、横縦比は作成したいDVDの画面の比率に合わせて選択し、『 OK 』を押します。(今回この記事では 16:9 の比率の映像を使うので横縦比はそちらを選択しています。)

NTSC や PAL というのはコンポジット映像信号の規格です。ここで詳しく説明する事は控えますが、気になる方はこちらなどを御参照ください。

DVD メニュー用テンプレートを選択 という画面が開きます。

今回はテンプレートを使いませんので、右下の『テンプレートを使わない』というボタンを押して閉じます。

DVDStyler への動画の追加

今回この記事では『 Fish.mpg 』『 Frog.mpg 』『 Mouse.mpg 』という3つの動画を使います。

DVD に焼くための動画は予め準備されている前提としています。

ここでは DVD に適した動画の条件やその形式への変換方法などについても詳しくは書きませんが、720px × 480px 、アスペクト比 16:9 、フレームレート 29.970 FPS の MPG ファイルなどが適しているかと思います。加えて、通常の安価で売られている DVD-R ディスクに焼く際には動画の合計サイズが 4GB 以内に収まるように調整しておきましょう。

今回の動画は全てその状態になったものを使っています。変換方法などに関しては、もし要望など頂いた場合には、また改めて書きたいと思います。

メニューの『 DVD 』から『追加』⇒『ファイル』を実行します。

ファイル選択ダイアログが表示されますので、DVD に追加したいファイルを全て選択してファイル名にそれらの名前が羅列されている事を確認して、『開く』を押します。

下部のタイムラインのエリアに追加したファイルが並びます。

必要に応じて、それぞれの動画を右クリックして出るメニューの『移動』⇒『左へ / 右へ』を使って、再生したい順番に動画を並べ替えておきます。

ディスク挿入時のコマンドの設定

メニューの『 DVD 』⇒『オプション』を実行します。

プロパティ ダイアログが開きますので

『最初の再生コマンド』の打ち込み欄に

jump title 1;

と打ち込んで、デフォルトで入っている『各領域にメニューが存在しない場合は、空のメニューを作成する』のチェックボックスからチェックを外し、2つのチェックボックスに共にチェックが入っていない状態にしてから『 OK 』を押して確定させます。

これで、プレイヤーに DVD を入れた時すぐに最初の動画の再生に飛ぶようになります。

メニューに対するコマンドの設定

次に『 VMGM メニュー1』と書かれているメニューを右クリックして出るメニューから『プロパティ』を開きます。

VMGMメニュー1のプロパティ画面が開くので、

プリ・コマンドに

jump title 1;

と打って『 OK 』を押して確定します。

これでメニューが呼び出された時、自動的に最初の動画の再生に移るようになります。

各動画に対するコマンドの設定

次にタイトル1(最初の動画) を右クリックして出るメニューから『プロパティ』を開きます。

タイトル1のプロパティ画面が開くので、

ポスト・コマンドに『 call last menu; 』と入っているものを消して

jump next title;

と打ちこんでから『 OK 』を押して確定させます。

これで、1つ目の動画の再生が終わったら自動で次の動画の再生に移るようになります。

タイトル2 (2つ目の動画) に関しても同様です。

右クリックして出るメニューから『プロパティ』を開き、

ポスト・コマンドに

jump next title;

と打ち込んだうえで『 OK 』を押して確定させます。

これで2つ目の動画の再生が終わった際にも、自動で次の動画の再生に移るようになりました。

タイトル3(3つ目の動画) についても右クリックして出るメニューから『プロパティ』を開くところまでは同様ですが…

今回は最後の動画になりますので、ポスト・コマンドに

exit;

と打ち込んで『 OK 』を押して確定します。

これにより、最後の動画の再生が終わったらその時点で DVD の再生も終了するようになりました。

DVD メディアへの書き込み

以上で準備が整いましたので、DVDメディアへの焼き込みを行います。

上部メニューにある炎の円盤ボタンを押してください。

書込みダイアログが開くので『 DVDに書込み』を選択し、デバイスでパソコンの DVD-R ドライブを選択したうえで『開始』ボタンを押します。

一時保存用ディレクトリが空き容量が充分にある高速なディスク上に無い場合、書き込みに失敗する可能性があります。作業をされているパソコンに付いているディスクの中で一番高速で容量が空いているディスクが指定されている事を確認してください。もし違った場合は変更しておきましょう。

DVDの生成 画面が開いて、焼き込みが進んでいきます。

『書き込みが正常に終了しました。』と表示されれば DVD の作成は完了です。『閉じる』ボタンを押してウィンドウを閉じます。

また編集し直す可能性がある場合などは必要に応じて適宜保存などを行ってください。DVDStyler はウィンドウ右上の『 ❎ 』ボタンを押せば終了します。

焼き上がったディスクを覗くと中には『AUDIO_TS』『VIDEO_TS』というフォルダが存在し、一般的な DVD プレイヤーで再生可能なディスクになっている事が判ります。

以上でメニュー無しで即再生できる DVD の作成は完了です。

今回は3つの動画で説明しましたので、最初の2つの動画に次の動画へ進むコマンド ( jump next title )、最後の動画に再生を終了するコマンド ( exit ) を設定しましたが、動画の個数が増えても同様の方法で対応することが出来ます。

基本的にはどれだけ本数が増えても最後の動画以外には次の動画へ進むコマンド、最後の動画にのみ再生を終了するコマンドを設定するというのが基本となるでしょう。

DVDStyler 公式マニュアル

今回は簡単ないくつかのコマンドの組み合わせのみを使用しましたが、DVDStylerは使いこなせばもっと複雑な構造を持った DVD を作ることが可能です。興味がある方は

などを読んでみられると、きっと楽しめるかと思います。

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