🕯️みっちょの電脳冒険記
おやおや……暖炉の奥、こんなところまで足を踏み入れる方がおられるとは。きっと“もっと深く知りたい”という好奇心を持った旅人さんであられるに違いない。
ここは私『みっちょ』の記憶の集積所。
クリゼミの講師である私がこれまでの人生で、どのようにコンピューターという魔法を学び、その深淵を覗いてきたのか。
その長い旅路を、少しだけお話ししましょう。
🔢4歳 ― 最初の相棒“16進数の魔導書”
私が初めて手にしたコンピューター。
それは父から手渡された『ENTEX ELECTRONICS MAC』という硬派なマシンでした。
画面は4×4の合計16個のLED。その下に数文字の小さな英数字が並ぶだけ。入力は16進数のマシン語のみ。バックスペースキーも無く、1文字でも打ち間違えれば、電源を切って最初からやり直し。(※マシン語…コンピュータが直接理解できる言葉。『C2 18 F8 A9…』といった感じで数字とアルファベットの羅列で表記する)
今思えば、子どもに渡すにはあまりにもストイックな代物でしたが、その無機質な数字の羅列に、私は「自分の手で何かが動く」という確かな“魔法”を感じていました。
- この頃の私の世界▸ パソコン▶️スタンドアロン▶️マシン語▶️ゲーム
⌨️5歳 ― BASICという“母国語”
続いて父が買ってくれたのが『NEC PC-6001』。電源を入れるといきなりプログラム入力画面が全画面で立ち上がる、当時の“普通のパソコン”です。
両親はパソコンを扱えず、教えてくれる人もいませんでした。私はただひたすら、本に書かれた単語をコンピューターに語りかけ続けました。画面が光り、文字が出て、音が鳴る。それは私にとって、世界で一番贅沢な「遊び」でした。
夢中になっているうちに、気づけば BASIC を感覚で覚えていました。(※BASIC…高級プログラミング言語の1つ。昔のパソコンは大体これでプログラムするようになっていた)
小学校で日本語を学ぶより前に、私はパソコン国の言語を喋っていたということになります。
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⚡小学生 ― “なぜ動く?”感じた回路の鼓動
やがて私の興味は、画面の中だけでは収まらなくなりました。
「なぜ、この機械はプログラムを理解して動くんだろう?」
その疑問に導かれパソコンを分解してみると、黒いゲジゲジ(IC)が並んでいました。“この中に秘密がある”と直感し、ハンダごてを握り、電子工作を始めました。
電気が流れ、回路が動き、論理が生まれる。
その仕組みを理解したとき、世界が一段深く見えた気がしました。
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🎮中学生 ― ゲーム制作に全てを捧げた日々
小5で手に入れた『SONY HiTBiT F1-XDJ』。付属の「ゲームプログラミング解説本」とツール群は、私にとって宝物でした。
ここから中学卒業まで、私はひたすらゲームを作り続けました。世界を作ることが、何より楽しかったのです。
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💻高校生 ― “OSとは何か”自作した夏
高校生の時に手に入れた『EPSON PC-486P-2』。
MSXにおいては MSX-DOS はディスク操作など行いたい時に使う特別なツール…という感覚で使っていましたが、こちらは MS-DOS を使って行う作業が多く、DOS という存在が気になり始めました。
「よくわからないなら作ってみればいい」と思い立ちました。
XDIR(eXpandDIR)というツールでディスクに直接16進数を書き込み、高校2年生の時に夏休みをすべて使って MS-DOS互換OSを自作しました。
この経験を通じてOSの重要性を理解し、『これからはOSが主導する時代が来る』と感じた事をハッキリと覚えています。
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⚪大学生 ― CPUとLSIの“中身”へ
OSの仕組みがわかると、次はその下――CPUやLSIの内部構造 が気になりました。
回路を眺めて見たときに『これはそういうもの』という感じでLSI(大規模集積回路)部分に関しては全てがブラックボックスなのです。
ここの中身が知りたい…と、そう思いました。
そこで大学では LSI 開発の研究室に所属し、実際にLSIを設計・開発し、CPUの頭脳回路を理解しました。
同時に Solaris など UNIX 系OSにも触れ、コンピューターの“深層”へ潜っていきました。
CPUというコンピューターの「脳」そのものを設計し、UNIXの海を泳ぎ、ソフトウェアからハードウェアまで、コンピューターの全てを愛し、その仕組みを解き明かすことに心血を注いだのです。
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➿1990年代 ― ネットワークの海へ
インターネットが流行し始めた頃「ネットワークとは何か?」を知りたくなり、さっそく中古パソコンを2台買ってきて、HTTP・SMTPサーバーなどの通信プログラムを書いてみて、ネットワークについて色々と学びました。
ネットワークの糸を編み続け、コンピューター同士が繋がって動く面白さを噛み締めていました。
この時期にはもう1つ大きな変化がありました。
インターネットで自分のウェブサイトを作れば、作ったゲームやツールを世界に配れる!
ついに自由な配布方法を手に入れた喜びに、とにかく作ったものを自由に配れる開発環境を探し求め、Delphi や Turbo C++ を購入してアプリを大量に作り始めたことでした。
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🏢2000年代 ― “巨大コンピューター”の世界
コンピューターを学んでくる中でずっと気になっていたのが、汎用機(メインフレーム)でした。
数トンもの重さがある、企業を支える巨大なシステム。しかし当然ながら、個人で購入するのは現実的ではない代物でした。
「これを知らずに、エンジニアは名乗れない」
――そう確信した私は、銀行系のシステム開発に身を投じました。
コンピューター世界の“最大の大陸”に足を踏み入れたのです。
個人のパソコンでは決して触れられない大規模業務システムの世界、圧倒的な規模の設計と開発。
そこで得た経験は、私の技術的な視野を、宇宙のように広げてくれました。
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🚀2010年代以降 ― マイコン、組み込み、そしてAI
その後は、さらに組み込み系マイコンの開発にも携わり、極小のコンピューターの世界も理解しました。
Arduino や Raspberry Pi などを使って、位置情報をリアルタイムに把握できるシステムやウェアラブルグラスを使ったリアルタイムな情報情報の共有システム、AR・VRを使ったエンターテインメントシステムなどの独自開発も行いました。
そして今は、AIの技術も学び続けています。
私の学びが終わることはありません。好きで仕方がないからです。
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🏰そして今 ― この楽しさを、誰かに渡したい
気づけば、コンピューターのほぼ全ジャンルを渡り歩いていました。ただただ好きで、走り続けていたら、ここまで来てしまったのです。
電気の粒が回路を駆け巡る瞬間から、数万人が使う巨大システムの鼓動まで。私はコンピューターの「全部」を見てきました。
その長い旅路の果てに、今、私は確信しています。
「どんなに複雑な技術も、元を辿れば一人の人間の『楽しい』という純粋な気持ちから始まっている」
ということを。
だからこそ、私はクリゼミを開いています。
「この楽しさを、誰かに渡したい」
それだけが原動力です。もし少しでも「面白そうだ」と感じてくださったなら、ぜひ次はクリゼミ国の門を叩いてください。
ゲーム制作を通じて、あなたにもきっと“コンピューターと触れ合う喜び”をお届けできると思っています。
私が何十年もかけて集めてきたこの「知識の宝箱」を、今度はあなたのゲーム制作のために開け放ちたい。それが、この書斎の主である私の、今の願いです。